本日の鑑賞作品は「エヴェレスト 神々の山嶺」です。
標高8,848M、氷点下50℃、極限の世界に挑む。
コピーそのままの極限の世界が見事に描かれていました。映画化不可能。と言わていた理由もよくわかりました。ということで作品紹介です。
公開:2016年3月12日
作品:エヴェレスト 神々の山嶺
原作:夢枕獏「神々の山嶺」(角川文庫・集英社文庫)
監督:平山秀幸
製作:「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会
WiKi:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E3%80%85%E3%81%AE%E5%B1%B1%E5%B6%BA
エヴェレスト 神々の山嶺
を10倍楽しむ3つのトピックス ①
阿部寛の眼力!眼力!眼力!そして演技力!
この作品。阿部寛さんの圧巻!圧巻!圧巻!の演技力に驚かされます。もちろん岡田准一さんの演技もとても素晴らしく自然とエヴェレストに惹き込んでくれるのですが、阿部寛さんはスクリーンから出て、正に目の前で生きているかのような圧倒的な存在感(オーラ)を感じさせてくれます。
ネタバレなので言えないのですが、見終わったあと、クライマックスの阿部寛さんの演技、表情が頭にこびりついて離れないのですっ!!!
すげえよ、阿部寛さん・・・
極限の状態でこそ人間が問われる。と言われますが、極限の撮影でこそ役者の本領が問われるのかもしれないですね。何と言ったらいいのかわからないけど「阿部寛、すげえ」と思わされる作品でした。
ちなみに阿部寛さん演じる「羽生丈二」には実在のモデルが存在しました。それが「森田勝」さんです。羽生丈二のエピソードほぼそのままの方でした。
日本の登山家。10代より当時ブームだった登山にのめり込み、金型工の腕はあったが職場を転々とする毎日だった。東京緑山岳会に入会したが、南米最高峰のアコンカグア遠征の話も資金面で参加断念せざるを得なくなる。そこで雪崩が頻発するため冬季登頂は不可能とされた谷川岳滝沢第三スラブ(三スラ)へ岩沢英太郎と初登頂する。その後頭角を現し、アイガー北壁を日本人初登頂。プロの登山家となるも、エヴェレスト遠征、K2登山隊参加では、あくまでも一番にこだわる彼の登山スタイルは批判も多かった。1980年、かつて大怪我を負ったグランド・ジョラス北壁に挑戦するも行方不明に。同年、山岳警備隊によって遺体が確認された。
私は、天才であればあるほど、ある種のネジがはすれているものだと思っていますが、森田勝はザイルパートナーが落ちて2人とも助からないシチュエーションを想定して「ザイルを切るためにナイフを持ち歩いている」と発言したそうです。
これは・・・判断難しいですね。パートナーの気持ちを考えると・・・。ただ彼の遺体が発見された時、当時のパートナーである村上文祐さんのザイルは切られていなかったようです。
男は矛盾を抱えて生きるものですね。
そんな男の矛盾を演じつつ、圧倒的なクライマーの”生きるチカラ”を見せてくれて阿部寛さんの好演をぜひ鑑賞ください。
ちなみに阿部寛さん推しではありますが、岡田准一さんも、素晴らしい表情を見せてくれます。かっこいい。というより、男らしい・・・。役者だなあ、とつくづく思わされました。
エヴェレスト 神々の山嶺
を10倍楽しむ3つのトピックス ②
エヴェレストって?
エヴェレスト、またはチョモランマ。ネパール、ヒマラヤ山脈にある世界最高峰の山です。標高8,848m(富士山が3,776mなので、ざっと2.3倍)。8.8kmが直角に立っていると考えると途方もない高さに感じますが、それに加えて氷点下50℃で吹雪付きという、もう考えただけでも「あ、これ無理や・・・」と確実に思える極寒の自然環境です。
最初、こんな感じかと思うじゃないですか・・・
でも実際はこんな感じでした・・・
油断すると・・・余裕で滑落します。
加えて、吹雪。吹雪。吹雪。マイナス50℃からの、、、吹雪!!!ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。
これは!あかんパターンのやつです!!!
絶対、無理だ・・・と思いつつ、一瞬だけ踏み込んでみたい。と思ってしまうのは、私も男だからでしょうか・・・。山頂の景色を2-3秒だけ見られれば、それで全てが得られる気がしますね。
ちなみに、エヴェレストには標高8,000m以上の”デスゾーン”と呼ばれる死の領域があります。過去に約300人以上が行方不明となっているがこの”デスゾーン”には、その遺体たちが至るところに転がっているそうです。今でこそ死亡率1%程度(それでも100人に1人死ぬ)エヴェレスト登山ですが、そのルートを切り開いてきたかつての偉人たちの墓標があるそうです。(当然、本作品でも8.000mを超えた世界が描かれていますが、想像を絶する世界となっています)
エヴェレスト 神々の山嶺
を10倍楽しむ3つのトピックス ③
それでも山に登るのか。偉人たちの言葉。
山。その漢字のカタチを改めて見ると、とても感動するカタチではありますが、何人もの登山家(作中では「山屋(やまや)」と呼バレています)の命を奪う場所でもあります。それでも山屋たちは登るのです。何故なのか?阿部寛さんのインタビューでも「山屋の皆さんに聞いたが明確な答えは帰ってこなかった」と話しておりますが、その一端がわかる登山家の偉人たちの言葉をピックアップしてみました。
ジョージ・マロリー(1886-1924)
本作品でも登場している歴史的な登山家。マロリーは1920年代にイギリスが国威発揚をかけたエヴェレスト遠征隊に3度参加、1924年の第3次遠征においてエヴェレスト制覇を目指したが頂上付近で行方不明に。マロリーの最後は死後75年にわたって不明となってたが、1999年5月1日に遺体が発見された。世界初のエヴェレスト登頂を達成したかどうかは、未だ謎に包まれている。
(何故、あなたはエヴェレストに登るのか?という質問に対して)
そこに、エヴェレストがあるからだ。
※ 有名な誤訳「そこに山があるからだ」の元となった言葉ですね。
植村直己(1941年-1984年)
1970年に松浦輝男とともにエヴェレストを日本人で初めて登頂。その世界初五大陸最高峰登頂(1970)に始まり、単独北極圏到達(1978)、世界初マッキンリー冬期単独登頂(1984)など輝かしい実績を持った日本が誇る冒険家。国民栄誉賞受賞(1984)。1984年2月、世界初のマッキンリー冬期単独登頂を果たしたのち、翌2月13日に行われた交信以降は連絡が取れなくなり、未だ消息不明。
みんな、それぞれが、何か新しいことをやる、それはすべて冒険だと、僕は思うんです
三浦雄一郎(1932-)
日本のプロスキーヤーおよび登山家。国内外においてプロスキーの記録を立てながら、時速172.084kmの当時世界新記録を樹立。54歳で南アメリカ大陸最高峰アコンカグアからの滑降を成功させ、世界七大陸最高峰全峰からの滑降を達成。70歳で当時の世界最高齢でのエベレスト登頂に成功。2013年、3度目のエヴェレスト登頂に成功。80歳の成功は自身の記録を塗り替え、エヴェレスト登頂史上、最高齢の登頂者となった。
エベレストに登るという夢を持った途端、人生が変わった。
そして、夢を持てば実現できることを改めて知った。
いかがでしたか?
一瞬だけ登ってみたい!て思うんですが、すぐ「そんな甘くねえぞ」と一瞬で現実に引き戻されます。が、カタチはいい。山屋が大事にしたこと、想い、執念、ハート。なんでもいい。1つだけでも、現実世界に持ち帰ってください。
※ 本記事における映画作品の画像や動画はすべて「エヴェレスト 神々の山嶺」公式ホームページより引用・転載しています。また歴史上の人物画像についてはWikipediaおよび文芸春秋より引用・転載しています。
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